ものづくりの異端児に
神奈川県内で頑張る中小企業の皆さまのインタビューをご紹介します。

当社はブレーキの金属部品やボディパーツなど自動車部品の金属加工を行っています。
金型の製作から部品の量産まで自社で行っている点が当社の強みです。
特に金型製作は高い技術力が求められる工程で、外注している企業が多い中、これまで培ったノウハウにより、高品質と「超短納期」を実現することができています。
社長就任、そして海外進出へ
2008年に先代の父から38歳で代表取締役を引継ぎました。
当社入社前、同業の知人のすすめで勉強のため1年間渡米しました。
その経験で視野が広がり、「自分もいつか海外に工場を持ちたい」という夢を持ちました。
取引先がメキシコに拠点を立ち上げる際に手伝いを頼まれ、2013年に当社もメキシコ法人を設立しました。
はじめは取引先へ数人の従業員を派遣するのみでしたが、現地での受注が多く見込まれたため、自前で工場をもち、本格的に受注を開始することになりました。
現地法人の資金調達には、「特定信用状関連保証」を利用できたことが助けになりました。
*特定信用状関連保証とは、海外子会社が現地金融機関から融資を受ける際に、国内金融機関が当該現地金融機関に向けて発行する信用状に関し、国内金融機関に対して親会社(国内中小企業)が負担する債務を保証する制度です。
また、金融機関のすすめで保証協会の専門家派遣も利用しました。
専門家の高い分析力で財務資料を作ってもらったり、率直に意見を述べてもらったりしたことが利用してよかった点です。

「大栄リバイバルプラン」
難易度の高い受注を受け、家にも帰れず睡眠も削って機械の前で立ったまま寝落ちして… なんていう厳しい状況が続いた時期があり、大赤字も出してしまいました。
そのときある従業員に
「仕事をとってくるのはいいけれど、もっと計画性をもってください」
と言われ、はっとして、
その言葉をきっかけに事業計画の策定に取り組みました。
各部署から1名ずつ集め、まずは従業員に会社の実情を知ってもらうことから始め、意見を出し合いムダや隠れた利益を見つけ、改善計画に落とし込み、できあがったのが「大栄リバイバルプラン」。
従業員も、向かうべき方向性をつかんだことで各自で実践することが明確になり、2年間で4,800万円の利益改善結果を出すことができました!
計画性をもつことの重要性を認識し、それ以降も続けています。


ものづくりの異端児に
これからの日本には若いパワーが必要です。
海外をみてより感じますが、日本にとって高齢化は大きな課題です。
若い方にもっと力を発揮してもらいたいです。
従業員には「世界のものづくりの異端児になろう」というスローガンを掲げています。
人と同じことをやってもだめ。
人に何と言われても、新しいことに積極的にチャレンジしてほしいなと思っています。
保証協会や金融機関には、がんばっている中小企業のものづくりの現場にぜひ足を運んで直接見てもらいたいです。
最初の一度だけでなく、1年後、数年後と、成長した姿も見てほしいと思っています。
いまの夢
メキシコでの事業を拡大していきたいと思っていて、そのためにメキシコ法人の事業計画も策定しているところです。
大栄製作所も成長して、いつかアメリカNASDAQのセレモニーで鐘を鳴らせたら…
と考えています!

企業名 | 株式会社 大栄製作所 |
代表取締役 | 大谷 昇 |
所在地 | 綾瀬市深谷上8-23-17 |
事業内容 | 金属製品製造業 |
ホームページ | http://www.daiei-press.co.jp/ |