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経営のヒント vol.24「モノが売れにくい時代に『エンタメ』を売る」2023年1月5日

最新号 モノが売れにくい時代に『エンタメ』を売る

さまざまな工夫をし、前向きに頑張って、売上を伸ばしている事業者さまについて、神奈川県よろず支援拠点が支援に携わった経営改善の事例をもとにご紹介します。

「神奈川県よろず支援拠点」では広く、コーディネーター等が中小企業・小規模事業の皆さまからのご相談に応じ、経営課題を分析し、総合的・先進的なアドバイスを行い、皆さまの経営課題の解決をお手伝いしています。

昭和33年創業、川崎の老舗和菓子店『菓心 桔梗屋』の支援事例

相談のきっかけ

地域にショッピングモールやタワーマンションの商業施設が多数進出する中、昔ながらの商店街は苦戦している。

そんな折、2年間修業に出ていた息子がお店に戻ってくる。

戻ってくるのはうれしいが、一人分の人件費も増えるし、もっと売上を上げていかなければならない。
どうしていけばいいだろうか…。

昭和33年創業、川崎市内で営業する老舗和菓子店から、こんなご相談がありました。

まずは、課題の整理から

和菓子店として商品ラインナップが増えすぎて、これといった特徴を出せず、「桔梗屋と言ったらこれ!」というような“売り”を明確にできていませんでした。
丹精込めた丁寧なお菓子作りが顧客に伝えられていません。

また、3代目が新たに加わるこの機会に、何か新しいことができないかと悩んでいました。

お店の“売り”を明確にし、それを伝える

あんこを外注する店が多い中、こちらでは丁寧にお店で手作りしています。
これを活かし、まずは「あんこと言ったら桔梗屋」と言われるようにすることを目指します。

もう一つは親子3代揃って和菓子を作っているということを最大の“売り”にします。

提案したのがこの企画

『3代目からの挑戦状!桔梗屋総選挙 親子3代まんじゅう味比べ』

手作りの自慢のあんこを味わってもらうことを前面にアピールするために、親子3代でそれぞれオリジナルまんじゅうを作り、総選挙と称して店頭で投票してもらうイベントを企画しました。

支援の成果

なんと、1週間でまんじゅう200セット(1,200個)がすべて完売!

お客さん自ら投票用紙の裏を利用して、3代続く桔梗屋に向けた手書きの応援メッセージが多数寄せられました。

この企画により、「あんこの桔梗屋」を強く印象付けるとともに、地域の顧客から親子3代で和菓子店を営む桔梗屋を応援しようという温かい気持ちが向けられました。

「買う理由」をつくる

モノがあふれる時代、コンビニでもスーパーでも安くて美味しいまんじゅうは手に入ります。
あえて商店街の和菓子屋に足を向けて買う理由は少なくなってしまったのかもしれません。

そのような時代で、今回の企画はあえて「買う理由」を作ったのです。

モノは売れない、エンタメ(物語)は売れる。
どうやったら顧客を喜ばせることができるのか?

仕事を手段(道具)にしてそれを追求することこそが、これからの商売を発展させる唯一の方法です。

ご相談ください

神奈川県よろず支援拠点は、本部(横浜)をはじめ、県内に6拠点(県央<海老名>、横須賀、小田原、川崎、藤沢、相模原)のサテライトを設置し、中小企業・小規模事業者の皆さまのお近くで相談に対応できる体制を整えています。

経営に関するお悩みがありましたら、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先

神奈川県よろず支援拠点
TEL:045-633-5071
Mail:yorozu@kipc.or.jp
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(提供:公益財団法人神奈川産業振興センター
事業部 経営総合相談課 笹生 勝則