経営のヒント vol.26「カーボンニュートラルはDXから始める!」2023年7月3日
最新号 カーボンニュートラルはDXから始める!
近年、耳にすることが増えた「カーボンニュートラル」や「DX」という言葉。
カーボンニュートラルは環境問題への対応に関するキーワードで、DXはデジタル技術活用に関するキーワードですが、この2つには、実は密接な関係があります。
企業の事業継続にも重要な2つのキーワードについて考えてみましょう。
カーボンニュートラルに向けて
地球温暖化は全世界の共通課題であり、日本にとっても他人事ではありません。
地球温暖化にはさまざまな原因が考えられていますが、なかでも二酸化炭素は最も温暖化に影響を与えていると言われています。
今後、サプライチェーン全体で二酸化炭素の排出削減に向けたカーボンニュートラルの取組みが活発化していきます。
カーボンニュートラルへの対策を怠ると、今後の事業継続に大きな影響を及ぼす可能性があります。
そのため、事業継続にはカーボンニュートラルの取組みが重要となります。
カーボンニュートラルとは
カーボンニュートラルについて確認です。
まず、カーボンニュートラルとは二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出を総合的にゼロにする取組みのことを言います。
具体的には、温室効果ガスの排出量から森林管理などによる吸収量を差し引いた合計を実質的にゼロにすることです。
2020年10月、日本は世界に向けて2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言したことで、経済産業省が中心となり関係省庁と連携して「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定しました。
この成長戦略では、産業政策・エネルギー政策の両面から、成長が期待される14の重要分野について実行計画が策定され、国として高い目標を掲げ、可能な限りの具体的な見通しを示しました。
2020年12月には経済産業省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を公表しました。
その中の1つに「グリーン成長戦略を支えるのは、強靱なデジタルインフラであり、グリーンとデジタルは、車の両輪である」と明記されています。
まさにカーボンニュートラルの実現にはDXが欠かせないのです。
カーボンニュートラルとDXの関係
カーボンニュートラルに取り組むには、まず、自社の二酸化炭素排出量を把握する必要があり、IoTセンサーで電力消費量を計算しデータを可視化します。
排出量を可視化した後は、二酸化炭素排出の抑制計画を作成しエネルギー消費を最適化します。
このことからもエネルギーを無駄なく使用するためにもDXは欠かせません。
DX(デジタル・トランスフォーメーション)とは、企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立することを言います。
(経済産業省2018年「DX 推進ガイドライン」より)
DXによるカーボンニュートラルを実現していくための主な2つの取組みをご紹介します。
テレワーク
テレワークはすでに経験されている方も多いと思います。
テレワークを実施すれば、人の移動を減らして交通機関が要するエネルギーやオフィスの電力使用量削減が可能です。
さらに、書類のペーパーレス化にも繋がることから紙の生産・廃棄で発生する二酸化炭素も削減が可能です。
AIによる需要予測
コンビニエンスストア等の小売店で需要と供給のズレが発生すると、食品廃棄ロス問題やコスト増加といった問題が生じます。
AIを使った発注システムでさまざまなデータ分析を行うことで、需要と供給のズレを抑えることが可能となります。
これにより食品廃棄ロスやコスト削減に繋がります。
これらのことからも、カーボンニュートラルの実現にはDXが欠かせません。
言葉の意味からするとまったく異なるものと思いがちですが、実は密接な関係があります。
2つが相互に補完することで大きな効果を発揮します。
お気軽にご相談ください
KIPではDX支援アドバイザーによる個社支援やDX人材の育成セミナー、神奈川県プロ人材活用センターを通じて外部人材の紹介を行っています。
また、5月からカーボンニュートラルにかかわるワンストップ相談窓口を設置し、必要に応じて個社支援を実施しておりますので、ご活用ください。
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提供:公益財団法人神奈川産業振興センター
経営支援部経営総合相談課 宮沢 浩之